汎用自律衛星運用システム

汎用自律衛星運用システム(MLOS: Multi-spacecraft Lights-out Operation System)では,宇宙航空業界に幅広いシェアを持つ「STK」および「ODTK」を基盤技術として,追跡データ読み込みからコマンド作成までend-to-endの衛星運用を自動化します.民生品の積極的な活用によるコスト削減,ユーザーの様々な要望やミッション・宇宙機独自の仕様を取り込むことで,高次元に自律化された運用体験を提供します.


衛星システムに依存しない汎用プラットフォーム

MLOSはCOTSをベースとした機能により構成されています.各々が広く検証された高機能なCOTSをベースとした開発方針により,導入から運用開始までの開発サイクルを省力化し大幅なコスト削減を実現します.

衛星に特化して作りこまれた独自システムとは違い,様々異なるミッションのアセットを自由に管理・維持することができ,さらにプラグインの開発により独自機能の追加にも柔軟に対応します.

 

End-to-Endで自動化された自律運用システム

MLOSにおけるCOTSの開発は単純なインテグレーションにとどまりません.搭載された各機能が連動してシームレスに動作することで,最もフレッシュかつ高精度な運用データをユーザーに提供します.

Databaseを介したデータの授受を行うことにより,各サービスは最新のデータにアクセスし,運用者は最新のデータから過去のアーカイブまで幅広い情報への容易なアクセスを可能にします.

 

直感的なミッション運用

運用する衛星がどのような状態にあるのか,そして計画された運用を行うことでどのような状態に推移していくのか.見栄えのみではなく,運用の可視化は非常に重要な要素です.MLOSはユーザーがその場で見たい情報をいつでも確認できるように,可視化機能を重視していますので,運用者に高い専門性を要求しません.

Openソースの技術を活用した可視化機能により,プラットフォームフリーな衛星運用が可能になります.軌道や姿勢,画像などいかなるデータもモバイル端末からコントロール可能です.


導入例)地球観測衛星ミッション

地球周回衛星の代表的なミッションである観測衛星のミッションでは,撮像立案・画像処理のために高精度な軌道歴が不可欠です.そこで,最適化されたフィルタ・スムーザ技術により追跡データを処理し,衛星の軌道情報のみでなく追跡データそのものの品質を管理ます.管理アセット数が増えることで,追跡データの品質は向上し軌道決定の精度はよりよくなるように設計されています.

高精度軌道歴に基づいた軌道制御計画や,カタログ化されている軌道上物体との接近衝突解析により,ミッションの安全性や回避計画の必要性が求められます.ユーザー指定のレベル以上の要回避イベントが発見された場合には,自動的に回避マニューバが立案されます.

撮像計画では,簡潔な可視解析に基づいた撮像可否のスクリーニングから,衛星の現実的な姿勢変化機動量を考慮した撮像リストが集計され,姿勢およびアップリンクコマンドが計画されます.

すべてのプロセスが一連のワークフローの中で自動化されていることにより,ユーザーに求められる最小のアクションは,計画値の承認・非承認となります.既計画の非承認や緊急時の運用では,設定内容独自のウィンドウが開かれマニュアルによる自動ルーティンへの介入がシンプルかつ容易に行えます.